同じ環境にいても、熱中症になる人・ならない人がいますよね。では、熱中症にかかりやすいのは、どんな人なのでしょうか?
年齢別に見てみると、多く発症しているのは60代~70代。
ここで注目したいのが、男女比。乳幼児や高齢者ではほぼ同率なのに対して、それ以外の年代では男性の方が圧倒的に多いんです。
屋外で仕事をする人
なぜ、男性が熱中症にかかりやすいのでしょうか? それは、屋外作業をするからと考えられています。
業種別では、熱中症が最も多いのは建設業。次いで製造業、警備業、林業、運送業となっています。作業開始の初日が最も多く、初日から3日間で約2/3を占めているのも大きな特徴です。
こうした仕事を、前回紹介したような場所で行うと、熱を放散できず体温が上昇します。
でも、仕事中は自分の都合で休憩を取るのが難しいですよね。さらに、通気性の悪い作業着や保護具も身に着けていると、脱水状態になりやすい場合もあります。
持病がある、薬を服用している人
心臓や脳、腎臓、甲状腺等に持病のある人、発熱や下痢などの症状があり体力が下がっている人も要注意です。また、広い範囲に皮膚疾患のある人は、体温調節が難しくなっている状態なので注意が必要です。
心臓疾患や高血圧などの薬、鎮痛剤や睡眠導入剤も、発汗や体温の調節機能を抑えたり、脱水を招いたりするので気を付けましょう。
チームスポーツをする人は要注意
運動をする人は体力があって、熱中症にも負けないイメージがあります。でも、運動をすると筋肉で大量の熱が発生し、熱中症の危険が高くなるんです。
特にチームスポーツは要注意。個人で運動する場合は、自分の体調に合わせて休憩できます。でも、集団で行う場合は、リーダーやコーチの指導に合わせるので、つい無理をして熱中症になりやすいんです。
種目別では、熱中症のリスクが高いのは、野球やマラソン、サッカーなど。
空調のきいていない体育館も高温多湿になりやすいので、バドミントンやバスケットボールなどを行う際も注意してくださいね。
体温調節機能が未熟な乳幼児や幼児
乳幼児や幼児は、熱中症で危険な状態になるケースが多くあります。なぜなら、大人よりも新陳代謝が活発で平常時の体温が高めなので、暑さを訴えることがあまりないからです。また、体温調節機能もまだ十分に発達していないため、一度体温が上がると平熱に戻りにくく、熱中症にかかりやすいのです。
注意したいのは、暑い日の散歩。晴天の日は、地面に近いほど気温が高くなるので、背の低い幼児は大人よりも危険な状態になります。
例えば、気温が32℃の時、身長50㎝の幼児の高さでは35℃を超えることも。大人が暑いと感じる時は、幼児はさらに高温の環境にいるので注意が必要です。
のどの渇きを感じにくい高齢者
高齢者は、脱水が進んでものどの渇きを感じにくく、トイレに行くのがおっくうで水分摂取を控えてしまい、脱水症状を起こすケースが多く見られます。また、暑さを感じにくいのも高齢者の特徴です。
気温と湿度を把握できるよう、高齢者の部屋には温度計と湿度計を置くのがおすすめですよ。
ご自身の体質や体調、ライフスタイルを照らし合わせて、熱中症を予防してくださいね!
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